
THE HILLS HAVE EYES II(ヒルズ・ハブ・アイズ2)
2007年 アメリカ 90分
監督:マーティン・ワイズ
製作:ウェス・クレイヴン、ピーター・ロック、マリアンヌ・マッダレーナ
製作総指揮:ジョナサン・デビン
キャラクター創造:ウェス・クレイヴン
脚本:ウェス・クレイヴン、ジョナサン・クレイヴン
撮影:サム・マッカーディ
音楽:トレヴァー・モリス
出演:マイケル・マクミリアン、ジェシカ・ストループ、ダニエラ・アロンソ、ジェイコブ・バルガス、フレックス・アレクサンダー
「ヒルズ・ハブ・アイズ」がホラー映画界に輝く個人的金字塔作品となったので続編である本作も勢いで観てしまった。
しかしアレクサンドル・アジャはどこにも関わっていないということから期待はまったくしてなかった。
観賞後…やはり期待はするだけ無駄な作品だった。
今回は前作の「ヒルズ・ハブ・アイズ」から後日の話を描いている。
前作で放射能を浴びて怪物へと突然変異した人間たちに襲われたカーター家族の事件後、軍はその一体にいる怪物たちを掃討する作戦を決行し、成功したように思われた。
だが実際は怪物たちは生き残っていた。
山頂近くでは軍人と科学者たちが怪物たちの手によって殺されていた。
その頃、山頂からの救難信号を受けた軍の小隊は調査に向かう。
そこで怪物たちの襲撃を受ける。
前作のインパクトが強すぎたために今回は大きく失速。
今回は核問題に対するアプローチは特に出てこない。どちらかというとアメリカ軍に対する不信感のようなものが今回は強いかもしれない。
ストーリーはシンプルにまとめられているが描ききれていない。演出力が足りないといったところだろうか。
今回は怪物の中にも手助けしてくれるやつがいるのだが、そいつがなぜ手助けしてくれるのかもわからず、ただ手伝っていつの間にかいなくなっている。そいつをもうちょっと掘り下げても良かったのではないだろうか。
また兵士たちそれぞれきちんと描けばよかったのに皆使えない兵士といった印象しかない。
本作はマーティン・ワイズ監督の力不足が大きな原因だろう。それほど酷い作品ではないのだが印象にはまったく残らない。
またゴア表現、作品のヘヴィーさも前作に比べてパワーダウン。
子供がいる女性兵士が怪物にレイプされるシーンがあるが女性兵士の描写が薄いために毒はそれほどない。
やはり感情移入ができないからだ。もう少し兵士たちの描写を丁寧に描いていれば目を背けたくなるような不快感に襲われただろうに…。
前作はゴア表現も強かったが家族という社会集団の中の柱である父親が眼の前で燃やされたり、次女が長女の前でレイプされたりといったものがあったから重さがあったのだろう。
ラストも無理やり終わらせたといった印象が拭えないため尻切れとんぼになってしまった感じがする。
オリジナル「サランドラ」のウェス・クレイヴンが製作、脚本、キャラクター創造に関わっているが勿体無い。宝の持ち腐れだ。
続編もありそうなラストにしたがどうなるのだろうか…。
今回のラストからして期待はできないな。
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