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UN LONG DIMANCHE DE FIANCAILLES(A VERY LONG ENGAGEMENT)
ロング・エンゲージメント
2004年 フランス 134分

監督:ジャン=ピエール・ジュネ
製作総指揮:ビル・ガーバー、ジャン=ルイ・モンチュー
原作:セバスチャン・ジャプリゾ『長い日曜日』
脚本:ジャン=ピエール・ジュネ、ギョーム・ローラン
撮影:ブリュノ・デルボネル
美術:アリーヌ・ボネット
衣装デザイン:マデリーン・フォンテーヌ
編集:エルヴェ・シュネイ
音楽:アンジェロ・バダラメンティ

出演:オドレイ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、ジャン=ピエール・ベッケル、ドミニク・ベテンフェルド、クロヴィス・コルニアック、マリオン・コティヤール、ジャン=ピエール・ダルッサン、ジュリー・ドパルデュー、アンドレ・デュソリエ、ティッキー・オルガド、ジェローム・キルシャー、ドニ・ラヴァン、シャンタル・ヌーヴィル、ドミニク・ピノン、ジャン=ポール・ルーヴ、ミシェル・ヴュイエルモーズ、ジョディ・フォスター、チェッキー・カリョ、リュファス、アルベール・デュポンテル


「ロング・エンゲージメント」はジャン=ピエール・ジュネらしい映画だった。

今までのジャン=ピエール・ジュネ作品のようにセピア色の淡い映像と面白いカメラアングルで撮影され、また戦場シーンもあることから今までの作品以上に力が込められている。
そしてストーリーもジャン=ピエール・ジュネらしい。


舞台となるのは第一次世界大戦下のフランスだ。
戦場で負傷した兵士たちは国に返されることとなるが、それを利用して自ら怪我をして戦場を逃げようとした5人の兵士がいた。
5人の兵士たちは軍法会議でいずれも死刑されることとなる。
その中の一人の兵士マネクは故郷に幼馴染であり恋人のマチルダを残してきている。
マネクは武器を取り上げられたままドイツ軍との戦線に放り出されることとなる。
誰もがマネクは死んだと思い込む。
しかしマチルダは心の奥底でマネクが生きていると信じてマネクを探し始める。


ストーリーは第一次大戦という史実にファンタジー的要素を織り交ぜている。
マチルダとマネクの思い出は幻想的でありながら戦場では鉛色の荒い映像でマネクや他の兵士たちの現実、その対比がとても苦しいが同時に美しい。

また本作もストーリーの随所にジャン=ピエール・ジュネらしいユーモアを見せてある。
「ロスト・チルドレン」「デリカテッセン」「アメリ」で見せた妙な浮遊感を本作も感じた。
それは悪い意味ではなくてジャン=ピエール・ジュネの作風と個人的には思っている。

本作は登場する人物が多くフランスの名前ということでなかなか覚えにくいのだが、それさえ覚えてしまえば傑作になる作品である。
確実性を持つために2度見てもいいだろう。
個人的にはそれほど観る価値のある作品である。

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問題のない私たち
2004年 日本 98分

監督:森岡利行
原作:牛田麻希
脚本:森岡利行
撮影:斉藤幸一
美術:西村徹
音楽:奥野敦士

出演:黒川芽以、沢尻エリカ、美波、森絵梨佳、小松愛、浜田晃、野波麻帆、大塚寧々、勝村政信

某大型ポータルサイトの映画批評ページで多くのレビュアーから秀作との評価があり興味を持った本作「問題のない私たち」

ストーリーは…。
中学3年生の澪はクラスメイトたちと共にマリアを不快感への正当防衛という理由でイジメていた。
そんな頃、澪のクラスに麻綺という転校生が来る。
麻綺は明るくスポーツ万能、皆からも慕われる。すぐにクラスに溶け込んでいった。
しかし澪はそれが気に入らずマリアから麻綺へイジメの対象を変えようとする。
しかし、あっという間にクラスのリーダー的存在になってしまった麻綺は澪に対してイジメを決行する。
陰惨なイジメから澪は耐えられず自殺を図ろうとするが、それを澪にイジメられていたマリアは止める。
澪とマリアはそれがきっかけとなり友人となる。
ある日、麻綺が澪を呼び出しイジメたことを謝る。
澪は麻綺と仲直りするが、それは麻綺が澪へのイジメに飽きたことで他のクラスメイトを対象にしただけだった。
イジメられ飽きたら対象を変えるという負の連鎖は続いていき…。


まず何が伝えたかったのかがわかりにくかった。
というのも序盤から中盤にかけてはイジメ問題を対象にしてあるが、中盤から終盤にかけては澪が担任の先生が万引きをしたとこを見たことから担任の先生に圧力をかけられるということに変化していくからだ。またそこに澪の家庭問題も絡んでくる。
一人一人の人物描写が描ききれていないためにこのような中途半端でどこにテーマを置いているのかわからないストーリーになってしまった。
もっとシャープに丁寧に脚本が書けていれば面白いストーリーになったかもしれないので惜しい。

人物描写が足りないといったが実は登場する女優たちの手腕によって多少カバーされている。
澪を演じた黒川芽以、麻綺役の沢尻エリカ、マリアを演じた美波は存在感もあり演技力もありよかった。

そうはいっても脚本がいかにも演じてますっていういかにもな言葉遣いなために違和感は常に感じてしまうが。
そしていかにもな演出。普通そんなことしないだろっていう演出のために女優の魅力も脚本のネタも活かしきれていない。


良かったのは俳優だけだった。
特に美波が可愛かったってことしか印象に残らない映画である。笑



THE HILLS HAVE EYES II(ヒルズ・ハブ・アイズ2)
2007年 アメリカ 90分

監督:マーティン・ワイズ
製作:ウェス・クレイヴン、ピーター・ロック、マリアンヌ・マッダレーナ
製作総指揮:ジョナサン・デビン
キャラクター創造:ウェス・クレイヴン
脚本:ウェス・クレイヴン、ジョナサン・クレイヴン
撮影:サム・マッカーディ
音楽:トレヴァー・モリス

出演:マイケル・マクミリアン、ジェシカ・ストループ、ダニエラ・アロンソ、ジェイコブ・バルガス、フレックス・アレクサンダー

「ヒルズ・ハブ・アイズ」がホラー映画界に輝く個人的金字塔作品となったので続編である本作も勢いで観てしまった。
しかしアレクサンドル・アジャはどこにも関わっていないということから期待はまったくしてなかった。

観賞後…やはり期待はするだけ無駄な作品だった。

今回は前作の「ヒルズ・ハブ・アイズ」から後日の話を描いている。
前作で放射能を浴びて怪物へと突然変異した人間たちに襲われたカーター家族の事件後、軍はその一体にいる怪物たちを掃討する作戦を決行し、成功したように思われた。
だが実際は怪物たちは生き残っていた。
山頂近くでは軍人と科学者たちが怪物たちの手によって殺されていた。
その頃、山頂からの救難信号を受けた軍の小隊は調査に向かう。
そこで怪物たちの襲撃を受ける。


前作のインパクトが強すぎたために今回は大きく失速。
今回は核問題に対するアプローチは特に出てこない。どちらかというとアメリカ軍に対する不信感のようなものが今回は強いかもしれない。

ストーリーはシンプルにまとめられているが描ききれていない。演出力が足りないといったところだろうか。
今回は怪物の中にも手助けしてくれるやつがいるのだが、そいつがなぜ手助けしてくれるのかもわからず、ただ手伝っていつの間にかいなくなっている。そいつをもうちょっと掘り下げても良かったのではないだろうか。
また兵士たちそれぞれきちんと描けばよかったのに皆使えない兵士といった印象しかない。
本作はマーティン・ワイズ監督の力不足が大きな原因だろう。それほど酷い作品ではないのだが印象にはまったく残らない。


またゴア表現、作品のヘヴィーさも前作に比べてパワーダウン。
子供がいる女性兵士が怪物にレイプされるシーンがあるが女性兵士の描写が薄いために毒はそれほどない。
やはり感情移入ができないからだ。もう少し兵士たちの描写を丁寧に描いていれば目を背けたくなるような不快感に襲われただろうに…。
前作はゴア表現も強かったが家族という社会集団の中の柱である父親が眼の前で燃やされたり、次女が長女の前でレイプされたりといったものがあったから重さがあったのだろう。


ラストも無理やり終わらせたといった印象が拭えないため尻切れとんぼになってしまった感じがする。

オリジナル「サランドラ」のウェス・クレイヴンが製作、脚本、キャラクター創造に関わっているが勿体無い。宝の持ち腐れだ。

続編もありそうなラストにしたがどうなるのだろうか…。
今回のラストからして期待はできないな。



HAUTE TENSION(HIGH TENSION)ハイテンション
2003年 フランス 91分

監督:アレクサンドル・アジャ
製作:アレクサンドル・アルカディ、ロベール・ベンムッサ
脚本:アレクサンドル・アジャ、グレゴリー・ルヴァスール
撮影:マキシム・アレクサンドル
特殊メイク:ジャンネット・デ・ロッシ
美術監督:グレゴリー・ルヴァスール
音楽:フランソワ・ウード

出演: セシル・ドゥ・フランス、マイウェン、フィリップ・ナオン

アレクサンドル・アジャ作品「ヒルズ・ハブ・アイズ」から観てしまったわけだが、その優れた構成力、演出力、そして王道でありながら新しさも貪欲に吸収して発信する才能に惹かれて今回はアジャ監督のデビュー作にあたる「ハイテンション」を観賞。

まずは…やっぱりオチから。
実際こんなオチになるとは思ってなかったため、オチが分かった瞬間に「そっち行ったらダメだ!!」と止めたくなったが結局……。
サスペンスやホラーでは余りにも使われて斬新さも新鮮さもなくなるほどに使い古された常套手段的なオチなのだが、それでもそこに行き着くまでの過程で楽しませてもらったので個人的にはこのオチでも良しとしよう。

それまでの過程は本当にスゴい!!
演出力、構成力はデビュー作から既に爆発している。この巧みな演出があるからオチがこれでも許せてしまうのかもしれない。
このオチは単純なスプラッターだけでは終わらせないように見せるアジャ監督のスパイスのようにも見える。

だが、はやりメインとなるのは残虐すぎるスプラッター描写だ。とんでもない殺し方をこれでもかと見せつける。
個人的に特にショッキングだったのはマリーがクローゼットの中から奥さんを殺されるのを見ているシーン。
クローゼットが鮮血で汚れていくシーンのショッキングさは何だか70年代のホラー映画を観ているようだった。あのアングルもスゴかった。
アジャ監督には大人も子供も男も女も皆同じラインの上に立っている。
それがどんな殺され方をされようがお構いなしだ。
その潔さがいい。
見ていてその不条理さも残虐さも胸糞悪いのだけれど同時に清々しさを感じてしまうのだ。


そのとんでもない殺し方を実行する殺人鬼役のフィリップ・ナオンが素晴らしい。
ギャスパー・ノエ監督の変態映画「カルネ」や「カノン」「アレックス」とそのギャスパー・ノエの後継者と呼ばれるファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督の「変態村」に出演しているのだから観る前からワクワクが高まってしまう。
いや…ワクワクどころかニヤニヤものである。
序盤から中盤にかけて顔がわからなかった殺人鬼の顔がクライマックスで明かされるのだが、インパクトありすぎる。
思い出しても怖い…。



「ヒルズ・ハブ・アイズ」といい「ハイテンション」といい良質なスプラッターホラーを楽しめた。
アジャ監督、次作は「ピラニア」の3Dリメイクだというが自ずと期待は高まってしまう。
やはりアレクサンドル・アジャ監督もこれから追い続けなければいけない。
若い監督がこれだけインパクトある作品を作ってるってことも嬉しい限りである。


ただ「ハイテンション」に一つだけ気に入らないことがある。
音響やオープニング曲は良かったのだがMUSEの曲を入れるのはどうかと思う。
MUSEの曲も十分インパクトある曲なのだが映画の強烈さにかき消されてしまってる印象が拭えない。ラストも何だか場違いな音楽に聞こえてしまった。
それ以外は素晴らしかった。

トルコ映画「少女ヘジャル」と「パブリックエネミーズ」を観た。
どちらも特別印象はない。

「少女ヘジャル」のほうはクルド人問題を理解していないと理解し難いかもしれない。
実際そこを理解していれば印象深い作品になったかもしれないというのもあり自分の知識不足というのが残念。
でもクルド人問題を理解している人にとってはなかなかの作品かもしれない。


「パブリックエネミーズ」は思っていた以上につまらなかった。
ストーリーも特に面白いわけでもなく何だかマイケル・マンの自己満作品なのではないかなどと思ってしまった。
デジタル撮影も何だか気に入らない。
マイケル・マン作品は撮影に力が入っているのだからフィルムで撮影したほうがいい映像が撮れると思うのだが…。

と、最近観た映画は以上。

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