
Drag Me To Hell(邦題:スペル)
アメリカ 99分
監督:サム・ライミ
製作:ロブ・タパート、グラント・カーティス
製作総指揮:ジョー・ドレイク、ネイサン・カヘイン
脚本:サム・ライミ、アイヴァン・ライミ
撮影:ピーター・デミング
編集:ボブ・ムラウスキー
出演:アリソン・ローマン、ジャスティン・ロング、ローナ・レイヴァー、ディリープ・ラオ、デヴィッド・ペイマー、アドリアナ・バラーザ
「死霊のはらわた」を初めて観たときに感じたバカバカしさと気持ち悪さ、そしてちょっぴりの怖さを再び思い出した。
サム・ライミらしいホラー映画となっているが、ハリウッドのヒットメーカーとしてのサム・ライミ作品ではなくて好きなことを好きなようにやったサム・ライミ映画であるように感じた。
主人公のクリスは銀行のローンデスクで働くキャリア・ウーマンだ。
そのクリスの元に不動産ローンの延長を懇願しにガーナッシュと名乗る不気味な老婆が来る。
クリスはガーナッシュ夫人に憐れみの念を感じるが、昇給を意識した彼女は支店長に気に入られようとガーナッシュ夫人をあしらって大勢の前で恥をかかせてしまう。
人前で恥をかいたことが許せなかったガーナッシュ夫人はクリスに襲い掛かり呪いをかける。その呪いとはラミアと呼ばれる闇の悪魔にクリスの魂を奪わせるという怖ろしい呪いだった…。その日からクリスの身の回りには怖ろしい出来事が起きていき、クリスは呪いから身を守るために奔走する。
プロットはとてもシンプルで余計なものを一切省いてる。
しかしながら、小道具やセリフ、キャラクターのアクションに緻密な伏線を張っておりラストでは「なるほどね!」と、納得してしまう清々しさを感じる。
しかし同時に、何故ここまで笑える要素を詰め込んだのかという部分が謎である。
クリスの”何か”がいるという恐怖と死へのカウントダウンにハラハラしながらも、たびたび現れるガーナッシュ夫人への対処で噴出してしまうほど笑ってしまうのだ。
個人的にはシリアスをずっと通していればなかなかの秀作になれたのだが、このギャグ要素に萎えてしまうときもあり残念であった。
実際のところ、ここ十数年のサム・ライミの作品のつまらなさには閉口していたので本作もまったく期待はしていなかったのだが、サム・ライミにしては面白いほうだったので良しとしよう。
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