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INGLOURIOUS BASTERDS(イングロリアス・バスターズ)
2009年 アメリカ 152分

監督:クエンティン・タランティーノ
製作:ローレンス・ベンダー
製作総指揮:エリカ・スタインバーグ、ロイド・フィリップス、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン
脚本:クエンティン・タランティーノ
撮影:ロバート・リチャードソン
プロダクションデザイン:デヴィッド・ワスコ
衣装デザイン:アンナ・B・シェパード
編集:サリー・メンケ
出演:ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツ、ミヒャエル・ファスベンダー、イーライ・ロス、ダイアン・クルーガー、ダニエル・ブリュール

戦争映画というのは難しいもので史実を歪めてしまうと非難の的になる。
ナーバスな問題なので観てるこちら側もいつしか史実を辿らない映画に対して妙に批判的になってしまう。
それはそれでしょうがないという気もしてしまうのだが。

しかし、あの映画界の異端児クエンティン・タランティーノが戦争映画をやるというのだから公開前からヒヤヒヤしていたのだが、いざ観てみるとまったくタランティーノは……。
「ふざけんな! 歴史歪めてんじゃねぇか!!」などという批判はできそうにない。なんたってタランティーノなんだから。最初からこうなることはわかっていたのかもしれない。
しかし、これで納得してしまう(いや、せざるを得ない)のだからしょうがない。


毎度のことだがタランティーノ監督は最初の10分が秀逸だ。
オープニングシーン。
ナチス占領下のフランス。のどかな村にジープの音が近づいてくる。そこに住むラパディット一家はジープから降りてきた男ハンス・ランダ大佐を家に迎え入れる。大佐は別名”ユダヤ・ハンター”という渾名を持つほどユダヤ人を殺してきた冷血漢だ。
大佐は行方不明のユダヤ人一家の家族構成だけを教えてもらいにきただけだと言うが、ラパディット一家の床下にユダヤ人一家が隠れていることに気づき白状させる。
部下をラパディット家に呼ぶと床下に銃弾を撃ちまくる。

このオープニングシーンでの会話のやり取りが絶妙だ。フランス語でラパディット家の主人に話しかけフランス語は苦手なんだ。英語で話してくれと諭し、ユダヤ人に気づかれないように英語でどこに隠れているのかを聞きだす。
アクションシーンでも何でもないのに、何てスリリングで緊張感に富んだシーンだろう。
その後も映画全編通してドイツ語、英語、イタリア語、フランス語と様々な言語が飛び交っていく。
アメリカ映画に多い言語を無視したキャラクターのバックグラウンドの薄さが本作にはまったくない。

本作は傑作とまでは言い難いがタランティーノ監督の一つのターニングポイントになることは間違いない。
歴史と映画の壁をぶち破った先、何を作ってくれるのか…。ますますタランティーノ監督のこれからが気になるところだ。

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