
SHUTTER ISLAND(邦題:シャッター・アイランド)
2009年 アメリカ 139分
監督:マーティン・スコセッシ
製作:ブラッドリー・J・フィッシャー、マイク・メダヴォイ、アーノルド・W・メッサー、マーティン・スコセッシ
製作総指揮:クリス・ブリガム、レータ・カログリディス、デニス・ルヘイン、ジャンニ・ヌナリ、ルイス・フィリップス
原作:デニス・ルヘイン
脚本:レータ・カログリディス
撮影:ロバート・リチャードソン
プロダクションデザイン:ダンテ・フェレッティ
衣装デザイン:サンディ・パウエル
編集:セルマ・スクーンメイカー
音楽監修:ロビー・ロバートソン
レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングズレー、ミシェル・ウィリアムズ、エミリー・モーティマー、マックス・フォン・シドー、パトリシア・クラークソン、ジャッキー・アール・ヘイリー、イライアス・コティーズ アンドルー・レディス、テッド・レヴィン、ジョン・キャロル・リンチ、クリストファー・デナム、カーティス・クック
レオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシという強力タッグにも勿論魅力は感じたが「ミスティック・リバー」の原作者であるデニス・ルヘインの小説というとこにもかなり惹かれていた。
精神に問題がある犯罪者たちを収容している閉ざされた島(シャッター・アイランド)で女性患者が失踪するという事件が発生する。
連邦保安官であるテディ・ダニエルズと相棒のチャック・オールは事件の捜査に乗り出す。
しかし、不可解な事件であるとともに患者、医者の双方が決して話そうとしない秘密、また島全体を包む強烈な嵐から事件の解明は難航を極める。
しかし、失踪したと思われた女性患者が突如戻ってくる。事件は解明を迎えたかのように思われる。
だがテディにはチャックにも隠していた秘密があった。このシャッターアイランドに妻を殺した放火魔レディスが収容されているのだ。
レディスへの復讐を果たすために島を離れるわけにはいかないテディだったが…。
ディパーテッド以来のスコセッシ作品だが本作は映像という視点で見るととても丁寧に撮られていたように思える。
特にテディの現実と幻覚という2つの視点から描かれる描写には目を奪われる。幻覚描写は今までのスコセッシ作品にはない独特な描写だ。
ビビッドに切り取られるショットの数々はそれだけで目を惹きつけて離さない。
凄惨極まるエグいシーンでも鮮麗なショットと色彩美ではっとしてしまうのだ。
しかしストーリーはちょっと勿体無い。
確かに説明付けや納得いかないものがあるわけではないのだけれど、これどこかで見たなぁという既視感を感じてしまった。
使い古され驚きも感じないこのラストはどうにかならなかったのだろうか…。
このラストを使うことは驚きよりも逃げを感じてしまう。
展開を作れなかったことへの逃げを。
デニス・ルヘインがこの逃げのラストを使ったのかは原作を読んでいないためにわからないが、何とも勿体無いラストである。
しかし、総合的に観れば佳作である。
映像美、音楽と秀逸で他の映画を圧倒する力を持っているしストーリーも破綻はなく引き込まれていく展開であるし、見せ方もさすがスコセッシだと関心する。
だからこそ余計にそこが勿体無く感じてしまうのだが…。
俺って…しつこいな。笑
78点
PR