
虎よ、虎よ!
アルフレッド・ベスター 著
とんでもない作品を読んでしまった。
「虎よ、虎よ!」を読み終えたとき、純粋にそう感じた。
1人の男の復讐劇であると同時に壮大なサーガ作品を読んだような、そんな印象を受けたからだ。
ストーリーもさることながら、さまざまなアイデアの数々が素晴らしい。
このアイデアだけで1つの作品が書けるじゃないかと言えるほど面白いアイデアの数々を出し惜しみすることなく使っている。
それを感じるのも楽しければ、深く考えてみるのも面白い。
また、タイポグラフィによるサイケデリックな文章も面白い。
サイケデリックな文章体験とはまさにこのことではないだろうか。
文章による麻薬。大仰かもしれないがそういっても過言ではないと思う。
そのくらい衝撃的な読書体験だった。
次は同じアルフレッド・ベスターの「ゴーレム100」を読もうと思っている。
こちらは「虎よ、虎よ!」以上に期待している作品なため楽しみだ。
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