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Memphis Belle(メンフィス・ベル)
1990 アメリカ 107分

監督:マイケル・ケイトン=ジョーンズ
製作:デヴィッド・パットナム、キャサリン・ワイラー
脚本:モンテ・メリック
撮影:デヴィッド・ワトキン
音楽:ジョージ・フェントン

出演:マシュー・モディーン、エリック・ストルツ、ジョン・リスゴー、テイト・ドノヴァン、D・B・スウィーニー、ハリー・コニック・Jr、ジェーン・ホロックス、ビリー・ゼイン、ショーン・アスティン、リード・ダイアモンド 、コートニー・ゲインズ、ニール・ジュントーリ、デヴィッド・ストラザーン


24回の出撃を生き延びたB-17F爆撃機メンフィス・ベル。
そのメンフィス・ベルに乗り込む10人の若き兵士たちは、ついに最後の飛行を成そうとしていた。
攻撃場所はナチスドイツの軍事工場。
しかし今までの任務と同じであるはずもなかった。
熾烈を極めることは誰もがわかっており生きて帰れるかもわからない。
全員無事で国に帰るためメンフィス・ベルは最後の任務に就くのである。


リアルな戦争映画であると同時に爽やかな青春映画という某サイトのレビューに惹かれて食指が動いたわけだが、いかにもなアメリカ的展開に中盤辺りから嫌気が指してしまった。
B- 17F爆撃機メンフィス・ベルの25回の出撃は史実である。
そこに絡む若者たちの人間模様は、まぁ認めよう。しかし戦争に対する姿勢が偽善的であるために安っぽい人間に見えてしまうのだ。

クライマックスで描かれる軍事工場への爆撃シーン、ドイツ側は工場を爆撃されないために対空砲火と広範囲にわたる煙幕で爆撃を阻止しようとする。
爆弾投下を担う兵士は「煙幕が邪魔で工場が見えない」と叫ぶ。その兵士の後ろで生き残りたいと切に願う兵士は爆弾投下のスイッチを押してしまおうとして取っ組み合いになるのだが、そこで語るセリフが何とも安っぽい。
「下には学校がある。子供たちが犠牲になるかもしれない。それでもいいのか」というようなセリフを声高に叫ぶのだが、アメリカの戦争現場での事件や事故を考えると偽善的で説得力の欠片もない。
勿論、兵士たち皆がそうではなかっただろう。戦争という場でも人間的な良心を持つ兵士は多かっただろう。
それはわかっている。
だが、この映画で問題なのはドイツ側の兵士の視点がまったくないことだ。
戦っている敵の視点が一秒も描かれないにも関わらず偽善的なセリフを簡単に吐くとこだ。
それが納得いかないのだ。

爆撃には成功しただろうが、実際あの現場で何が起こったかは描かれていない。
描かれるのは一方の視点で描かれる生き延びた兵士たちの姿である。

こんな映画で今時、心が動く人なんているのだろうか。
そこに描かれるのは見たくない部分にはスポットを当てない欺瞞に満ちたアメリカの姿だけだ。

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