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ほとんど趣味のことを綴るブログ。

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BEFORE SUNRISE(邦題:恋人までの距離<ディスタンス>)
1995年 アメリカ 102分

監督:リチャード・リンクレイター
製作:アニー・ウォーカー=マクベイ
製作総指揮:ジョン・スロス
脚本:リチャード・リンクレイター、キム・クリザン
撮影:リー・ダニエル
編集:サンドラ・エイデアー
音楽:フレッド・フリス

出演:イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー、アーニ・マンゴールド、ドミニク・キャステル、ハイモン・マリア・バッテンガー、アンドレア・エッカート、ハンノ・ポーシェル


列車の中で偶然、出会った男女。
ジェシーはスペインで彼女に別れを告げアメリカに帰るまでの2週間、列車で旅をしている途中だった。
セリーヌは祖母に会いに行ってきた帰り。これからパリへと向かう途中であった。
2人は意気投合してジェシーがアメリカに帰るまでの1日、ウィーンで付き合うこととなる。


とにかく本作はセリフの妙、これに尽きる。

ほとんど動きのないカメラ。
2人はウィーンの街を当てもなく歩き回るだけ。
カメラはそれを追うだけ。もちろんカット数も少ない。
それなのにとても魅力的なドラマがこの映画にはある。
取りとめもないような会話なのに、ジェシーとセリーヌの価値観やそれまでの人生がセリフによって見えてくる。
そしてお互いに惹かれあってることも小さいアクションとセリフで見えてくる。

このままずっと続けばいいのに…。
2人が結ばれて映画的な展開があればいいのに。そう思うのだが、2人が一緒にいられるのは明日の朝まで。
もどかしい。もどかしすぎる。

ラストは光あるものだったかな。それでもこのラストは切ないな。
ビフォア・サンセットで2人のその後がわかるわけだが、ハッピーエンドを願うばかりだ。

恋愛映画が苦手な人でもこれは観るべきだ。
セリフがこんなにも魅力的な映画は久々に観た気がする。

90点/100点

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「ALWAYS ~三丁目の夕日~」
2005 日本 133分

監督:山崎貴
製作:高田真治、亀井修、島谷能成、平井文宏、島本雄二、西垣慎一郎、中村仁、島村達雄、高野力
プロデューサー:安藤親広、高橋望、守屋圭一郎
エグゼクティブプロデューサー:阿部秀司、奥田誠治
原作:西岸良平『三丁目の夕日』
脚本:山崎貴、古沢良太
撮影:柴崎幸三
美術:上條安里
編集:宮島竜治
音楽:佐藤直紀
音響効果:柴崎憲治
VFX:山崎貴
VFXディレクター:渋谷紀世子
照明:水野研一
装飾:龍田哲児
録音:鶴巻仁
助監督:川村直紀

出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、三浦友和、もたいまさこ、薬師丸ひろ子、須賀健太、小清水一揮、マギー、温水洋一、小日向文世、木村祐一、ピエール瀧、神戸浩、飯田基祐、麻木久仁子、奥貫薫、石丸謙二郎、松尾貴史、小木茂光、益岡徹

"古き良き時代"
昭和という時代に抱く思いがこの言葉ではないだろうか?
自分は昭和も終わりの頃に生まれたため昭和に思い出や特別な感情があるわけではない。
だが、そんな自分からしても昭和という時代にノスタルジアを感じるのは何でなのだろうか。
ほとんど知らない時代なのに惹きよせられる何かがある。

「ALWAYS ~三丁目の夕日~」
本作を観て納得した。
それは恐らく人の暖かさだ。
現代ではコミュニケーション方法が多用になったことから人との繋がりが簡単に築くことができる。
例えばチャットであったり、メール、SNSを利用したコミュニティーなど。
だが、そこに本来の人間同士の繋がりがあるかと聞かれると、ないと言わざるを得ない。
顔も性格も、人間性というものをまったく感じないデータという情報を媒介にしてコミュニケーションを図る。
そんなものに人と人の絆が感じられるのだろうか?

昭和という時代にはコミュニケーションの方法が人と人との直接のぶつかり合いなのだ。
だからこそ、人々に暖かさを、そして深い人間味を感じることができる。


現代ほど物が溢れておらず、豊かでもなかったが、それでも人々の繋がりが密に感じられた良き時代。

昭和を生きてきた人々にはノスタルジアを、昭和を生きていない人々にはこんな密接な人々の繋がりがあったのだという事実を「ALWAYS ~三丁目の夕日~」は思わせてくれるのだろう。













本作を映画として観た場合。

自分には王道すぎた。
ノスタルジアを感じさせる演出やセットには感服するが、昭和はこんなに良い時代だったのだ!! というどこか押しつけがましい意見が聞こえてきた自分には、それが鼻についた。(捻じ曲がった根性がいけないのかもしれないが…笑)

人々の繋がりは確かに感じる。
だが、お涙頂戴な展開にはどこかイラッとした。
泣かなければいけないとこですよ!! と製作者側の意図が見えてくる。

そんなふうにしなければ人々に想いは届かなかったのだろうか?
何だかもどかしい限りである。


65点/100点




マルドゥック・スクランブル 大今良時 著 冲方丁 原作

小説のマルドゥック・スクランブルには戦慄して、鳥肌が立つほど衝撃を受けた作品だったので、漫画のほうも評価がいいことだし期待して読んでみた。

あのとんでもない小説を忠実に漫画にしているという点はとても評価できる。
それも何とこの作者、女性。年齢はわからないのだが、マルドゥック・スクランブルのあとがきを読むとかなり若そうだ。(20代前半?)
そんな方があのヘヴィーでハードボイルド感溢れるマルドゥック・スクランブルを漫画にしているのだから驚く。

小説のほうに比べるとヘヴィーさ、ハードボイルドさはかなり薄れている。ストーリー自体は忠実なのだが、かなりあっさりと描かれている。また、絵のタッチが可愛らしいために余計に小説のほうと雰囲気の差が感じられる。
それは個人的には残念な点である。

さすがに小説と漫画の雰囲気を同じように描くことは漫画家からしてみても辛いだろう。オリジナリティを出すには多少は自分なりに料理をしないといけない。
マルドゥック・スクランブルの場合は原作がヘヴィーであっただけに漫画のほうは手にとりやすいタッチと雰囲気で描いたのだろう。

現在は2巻まで出ているが、まだまだストーリーはこれからだろう。
小説のように時間を忘れて貪るように読みたくなるほど惹きつけられるものはまだないのだが、小説で言えばまだまだ1巻の終盤辺り。
これから加速していくというところであるので、漫画も次巻が気になるところだ。


HELLBOY II: THE GOLDEN ARMY(邦題:ヘルボーイ / ゴールデン・アーミー
2008年 アメリカ 119分

監督:ギレルモ・デル・トロ
製作:ローレンス・ゴードン、マイク・リチャードソン、ロイド・レヴィン
製作総指揮:クリス・シムズ、マイク・ミニョーラ
原作:マイク・ミニョーラ
原案:マイク・ミニョーラ、ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ
撮影:ギレルモ・ナヴァロ
クリーチャーデザイン:マイク・エリザルド
プロダクションデザイン:スティーヴン・スコット
衣装デザイン:サミー・シェルドン
編集:ベルナ・ビラプラーナ
音楽:ダニー・エルフマン
特殊メイクデザイン:マイク・エリザルド

出演:ロン・パールマン、セルマ・ブレア、ダグ・ジョーンズ、ルーク・ゴス、アンナ・ウォルトン、ジョン・アレクサンダー、ジェームズ・ドッド、ブライアン・スティール、ロイ・ドートリス、モンツェ・リーベ、ジェフリー・タンバー トム・マニング、ジョン・ハート
声の出演:セス・マクファーレン

何と言ってもやはりグロテスクさだろう。この監督はこれにつきる。
バイオレンスではなくてグロテスク。
クリーチャーのような外見から人間の内面までとにかくグロテスクに描いていく。そんなグロテスクさの中に妙な繊細さのようなものを感じるからギレルモ・デルトロ監督が描く人間はとても魅力的なのだ。

「ヘルボーイ / ゴールデンアーミー」に限ってはそのほとんどが世界観やクリーチャーに向けられている。

はっきり言えば、退屈だった。とても…。
これがギレルモ・デルトロの作品なのか…? と落胆してしまった。

ただ、クリーチャー面、世界観、アクションだけ見れば高く評価はできる。
これカッコ良すぎだろっていうクリーチャーから気持ち悪いものまで様々なクリーチャーが登場する。見ているだけでもこれは楽しい。
そんなクリーチャーが蔓延る世界はダークで魅力的だ。
バットマンのようなヘヴィーなダークさではなくて、魑魅魍魎、百鬼夜行のようなダークさ。

こういう面では十分に評価できるのだが、ストーリーのほうはダメダメ。
主人公の危機、そして回避と、どうしてもハリウッドらしい演出が目に付いた。アメコミなのだからそれはしょうがないのかもしれないが、もっとギレルモ・デルトロらしいストーリーにしてほしかった。

個々の面だけが光っており、それが活かされていない残念な映画だったように思える。
それだけに勿体無い映画だ。

55点 / 100点


DIE WELLE
THE WAVE(邦題:ウェイヴ)
2008年 ドイツ 108分

監督:デニス・ガンゼル
製作:クリスティアン・ベッカー
原作:モートン・ルー、ウィリアム・ロン・ジョーンズ
脚本:デニス・ガンゼル、ペーター・トアヴァルト
撮影:トルステン・ブロイアー
美術:クヌート・レーヴェ
衣装:イヴァナ・ミロス
編集:ユーリ・クリステン
音楽:ハイコ・マイレ

出演:ユルゲン・フォーゲル、フレデリック・ラウ、マックス・リーメルト、ジェニファー・ウルリッヒ、ヤコブ・マッチェンツ、クリスティアーネ・パウル、エリアス・ムバレク、クリスティーナ・ド・レゴ

心理実験を題材とした映画だとドイツ映画である「es ~エス~」が記憶に新しい。そんなドイツからまたもや実際に行なわれた心理実験を題材にした衝撃的な映画が製作された。

「ウェイヴ」
ナチスドイツ時代から数十年経った現在ドイツ。過去の事実を経験してない学生たちには独裁政治による侵略など歴史の中だけの事実であった。
そんな学生たちに”独裁”とは何かを学ぶ授業が設けられる。

授業では次のようなルールが決められていた。

1.先生には"様"をつける。
2.許可なく発言しない。
3.仲間は助け合う。
4.白シャツ(ユニフォーム)を着る。

ただ椅子に座って話を聞き書くだけの授業とは違って、実習から得られる経験は新鮮で、”独裁”とは何なのかを身近に感じられ授業は大変人気になる。
そして学生たちは授業で集まった仲間のことを『ウェイヴ』と呼び始め、チームを組む。
目に見えない"独裁"に洗脳されていく生徒たちは次第に過激な活動をするようになっていき、衝撃的な事件が巻き起こる。


学生たちの青春ドラマに心理実験により狂っていく学生たちの姿が新鮮だ。
それぞれが勉強をし、部活に明け暮れ、また恋を経験している。
授業の一環として学ぶこととなる"独裁"が、自分たちを変えていく。
ついこの前までは退屈だが、平凡な学生生活を送っていた生徒たちが"独裁"を学ぶ授業により変貌していく様は正に当時のナチスドイツの縮図のように思えた。

自分たちが国を変えていくんだ。漠然とではなく、ここには自分の居場所がある。

そんな気持ちがウェイヴのメンバーにも当時のドイツにもあったのではないか? それが狂っていたなんて誰もが信じたくないだろうし、信じられないだろう。

街に自分たちの支持党のポスターを貼るようにウェイヴのマークを街中に描いていく学生たち。
変わらない日常が変わっていくように感じるのも無理はない。
パワーを感じるのだろう。
だが、そのパワーは歯止めが止まらなくなっていることにも気づかせない陶酔感をも与えたのだろう。


ラストのウェイヴのリーダーであり教師であるライナー・ベンガーによる生徒の扇動シーンは強烈だ。
生徒たちはもう完全に操り人形と化しており、リーダーの声が絶対だと信じている。
そこに疑問を投げつけるマイノリティな生徒は排除される。
「こいつをどうする!? 殺すのか!?」
ベンガーは生徒たちにマイノリティーへの処罰をどうするかを求める。
このシーンは余りにもショッキングだった。

ただ映画として観るとクライマックスからラストにかけては良かったが、それ以外は疑問ばかりだった。
例えば…
たったの1週間でここまでの大惨事に果たしてなるだろうか?
生徒たちが洗脳されていくさまの描写が薄く、行動が計画通りに動いているように見える。
アンチウェイヴ派の人間たちがウェイヴに抱く不信感が無理やりすぎる。ベンガーの恋人なんてベンガーの授業がウケているから嫌になっただけにしか見えない。

はっきり言って映画としてはとても半端な作品だ。
ただ扇動シーンだけが秀逸であった。あのシーンだけ観るためだけにこの映画を観てもいいだろう。
いや! それ以上にジェニファー・ウルリッヒの可愛さを観るためだけでいいだろう。
あんな可愛い女の子が出てるのならそれだけで観る価値がある。

今、思えば「見えない雲」にも出てるドイツでは結構有名な女優なのかもしれない。
ドイツのジェナ・マローンって感じがするな。

65点/100点
ほとんどがジェニファー・ウルリッヒへの配点。笑

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