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「ALWAYS ~三丁目の夕日~」
2005 日本 133分

監督:山崎貴
製作:高田真治、亀井修、島谷能成、平井文宏、島本雄二、西垣慎一郎、中村仁、島村達雄、高野力
プロデューサー:安藤親広、高橋望、守屋圭一郎
エグゼクティブプロデューサー:阿部秀司、奥田誠治
原作:西岸良平『三丁目の夕日』
脚本:山崎貴、古沢良太
撮影:柴崎幸三
美術:上條安里
編集:宮島竜治
音楽:佐藤直紀
音響効果:柴崎憲治
VFX:山崎貴
VFXディレクター:渋谷紀世子
照明:水野研一
装飾:龍田哲児
録音:鶴巻仁
助監督:川村直紀

出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、三浦友和、もたいまさこ、薬師丸ひろ子、須賀健太、小清水一揮、マギー、温水洋一、小日向文世、木村祐一、ピエール瀧、神戸浩、飯田基祐、麻木久仁子、奥貫薫、石丸謙二郎、松尾貴史、小木茂光、益岡徹

"古き良き時代"
昭和という時代に抱く思いがこの言葉ではないだろうか?
自分は昭和も終わりの頃に生まれたため昭和に思い出や特別な感情があるわけではない。
だが、そんな自分からしても昭和という時代にノスタルジアを感じるのは何でなのだろうか。
ほとんど知らない時代なのに惹きよせられる何かがある。

「ALWAYS ~三丁目の夕日~」
本作を観て納得した。
それは恐らく人の暖かさだ。
現代ではコミュニケーション方法が多用になったことから人との繋がりが簡単に築くことができる。
例えばチャットであったり、メール、SNSを利用したコミュニティーなど。
だが、そこに本来の人間同士の繋がりがあるかと聞かれると、ないと言わざるを得ない。
顔も性格も、人間性というものをまったく感じないデータという情報を媒介にしてコミュニケーションを図る。
そんなものに人と人の絆が感じられるのだろうか?

昭和という時代にはコミュニケーションの方法が人と人との直接のぶつかり合いなのだ。
だからこそ、人々に暖かさを、そして深い人間味を感じることができる。


現代ほど物が溢れておらず、豊かでもなかったが、それでも人々の繋がりが密に感じられた良き時代。

昭和を生きてきた人々にはノスタルジアを、昭和を生きていない人々にはこんな密接な人々の繋がりがあったのだという事実を「ALWAYS ~三丁目の夕日~」は思わせてくれるのだろう。













本作を映画として観た場合。

自分には王道すぎた。
ノスタルジアを感じさせる演出やセットには感服するが、昭和はこんなに良い時代だったのだ!! というどこか押しつけがましい意見が聞こえてきた自分には、それが鼻についた。(捻じ曲がった根性がいけないのかもしれないが…笑)

人々の繋がりは確かに感じる。
だが、お涙頂戴な展開にはどこかイラッとした。
泣かなければいけないとこですよ!! と製作者側の意図が見えてくる。

そんなふうにしなければ人々に想いは届かなかったのだろうか?
何だかもどかしい限りである。


65点/100点

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HELLBOY II: THE GOLDEN ARMY(邦題:ヘルボーイ / ゴールデン・アーミー
2008年 アメリカ 119分

監督:ギレルモ・デル・トロ
製作:ローレンス・ゴードン、マイク・リチャードソン、ロイド・レヴィン
製作総指揮:クリス・シムズ、マイク・ミニョーラ
原作:マイク・ミニョーラ
原案:マイク・ミニョーラ、ギレルモ・デル・トロ
脚本:ギレルモ・デル・トロ
撮影:ギレルモ・ナヴァロ
クリーチャーデザイン:マイク・エリザルド
プロダクションデザイン:スティーヴン・スコット
衣装デザイン:サミー・シェルドン
編集:ベルナ・ビラプラーナ
音楽:ダニー・エルフマン
特殊メイクデザイン:マイク・エリザルド

出演:ロン・パールマン、セルマ・ブレア、ダグ・ジョーンズ、ルーク・ゴス、アンナ・ウォルトン、ジョン・アレクサンダー、ジェームズ・ドッド、ブライアン・スティール、ロイ・ドートリス、モンツェ・リーベ、ジェフリー・タンバー トム・マニング、ジョン・ハート
声の出演:セス・マクファーレン

何と言ってもやはりグロテスクさだろう。この監督はこれにつきる。
バイオレンスではなくてグロテスク。
クリーチャーのような外見から人間の内面までとにかくグロテスクに描いていく。そんなグロテスクさの中に妙な繊細さのようなものを感じるからギレルモ・デルトロ監督が描く人間はとても魅力的なのだ。

「ヘルボーイ / ゴールデンアーミー」に限ってはそのほとんどが世界観やクリーチャーに向けられている。

はっきり言えば、退屈だった。とても…。
これがギレルモ・デルトロの作品なのか…? と落胆してしまった。

ただ、クリーチャー面、世界観、アクションだけ見れば高く評価はできる。
これカッコ良すぎだろっていうクリーチャーから気持ち悪いものまで様々なクリーチャーが登場する。見ているだけでもこれは楽しい。
そんなクリーチャーが蔓延る世界はダークで魅力的だ。
バットマンのようなヘヴィーなダークさではなくて、魑魅魍魎、百鬼夜行のようなダークさ。

こういう面では十分に評価できるのだが、ストーリーのほうはダメダメ。
主人公の危機、そして回避と、どうしてもハリウッドらしい演出が目に付いた。アメコミなのだからそれはしょうがないのかもしれないが、もっとギレルモ・デルトロらしいストーリーにしてほしかった。

個々の面だけが光っており、それが活かされていない残念な映画だったように思える。
それだけに勿体無い映画だ。

55点 / 100点


DIE WELLE
THE WAVE(邦題:ウェイヴ)
2008年 ドイツ 108分

監督:デニス・ガンゼル
製作:クリスティアン・ベッカー
原作:モートン・ルー、ウィリアム・ロン・ジョーンズ
脚本:デニス・ガンゼル、ペーター・トアヴァルト
撮影:トルステン・ブロイアー
美術:クヌート・レーヴェ
衣装:イヴァナ・ミロス
編集:ユーリ・クリステン
音楽:ハイコ・マイレ

出演:ユルゲン・フォーゲル、フレデリック・ラウ、マックス・リーメルト、ジェニファー・ウルリッヒ、ヤコブ・マッチェンツ、クリスティアーネ・パウル、エリアス・ムバレク、クリスティーナ・ド・レゴ

心理実験を題材とした映画だとドイツ映画である「es ~エス~」が記憶に新しい。そんなドイツからまたもや実際に行なわれた心理実験を題材にした衝撃的な映画が製作された。

「ウェイヴ」
ナチスドイツ時代から数十年経った現在ドイツ。過去の事実を経験してない学生たちには独裁政治による侵略など歴史の中だけの事実であった。
そんな学生たちに”独裁”とは何かを学ぶ授業が設けられる。

授業では次のようなルールが決められていた。

1.先生には"様"をつける。
2.許可なく発言しない。
3.仲間は助け合う。
4.白シャツ(ユニフォーム)を着る。

ただ椅子に座って話を聞き書くだけの授業とは違って、実習から得られる経験は新鮮で、”独裁”とは何なのかを身近に感じられ授業は大変人気になる。
そして学生たちは授業で集まった仲間のことを『ウェイヴ』と呼び始め、チームを組む。
目に見えない"独裁"に洗脳されていく生徒たちは次第に過激な活動をするようになっていき、衝撃的な事件が巻き起こる。


学生たちの青春ドラマに心理実験により狂っていく学生たちの姿が新鮮だ。
それぞれが勉強をし、部活に明け暮れ、また恋を経験している。
授業の一環として学ぶこととなる"独裁"が、自分たちを変えていく。
ついこの前までは退屈だが、平凡な学生生活を送っていた生徒たちが"独裁"を学ぶ授業により変貌していく様は正に当時のナチスドイツの縮図のように思えた。

自分たちが国を変えていくんだ。漠然とではなく、ここには自分の居場所がある。

そんな気持ちがウェイヴのメンバーにも当時のドイツにもあったのではないか? それが狂っていたなんて誰もが信じたくないだろうし、信じられないだろう。

街に自分たちの支持党のポスターを貼るようにウェイヴのマークを街中に描いていく学生たち。
変わらない日常が変わっていくように感じるのも無理はない。
パワーを感じるのだろう。
だが、そのパワーは歯止めが止まらなくなっていることにも気づかせない陶酔感をも与えたのだろう。


ラストのウェイヴのリーダーであり教師であるライナー・ベンガーによる生徒の扇動シーンは強烈だ。
生徒たちはもう完全に操り人形と化しており、リーダーの声が絶対だと信じている。
そこに疑問を投げつけるマイノリティな生徒は排除される。
「こいつをどうする!? 殺すのか!?」
ベンガーは生徒たちにマイノリティーへの処罰をどうするかを求める。
このシーンは余りにもショッキングだった。

ただ映画として観るとクライマックスからラストにかけては良かったが、それ以外は疑問ばかりだった。
例えば…
たったの1週間でここまでの大惨事に果たしてなるだろうか?
生徒たちが洗脳されていくさまの描写が薄く、行動が計画通りに動いているように見える。
アンチウェイヴ派の人間たちがウェイヴに抱く不信感が無理やりすぎる。ベンガーの恋人なんてベンガーの授業がウケているから嫌になっただけにしか見えない。

はっきり言って映画としてはとても半端な作品だ。
ただ扇動シーンだけが秀逸であった。あのシーンだけ観るためだけにこの映画を観てもいいだろう。
いや! それ以上にジェニファー・ウルリッヒの可愛さを観るためだけでいいだろう。
あんな可愛い女の子が出てるのならそれだけで観る価値がある。

今、思えば「見えない雲」にも出てるドイツでは結構有名な女優なのかもしれない。
ドイツのジェナ・マローンって感じがするな。

65点/100点
ほとんどがジェニファー・ウルリッヒへの配点。笑


THE LIFE BEFORE HER EYES(邦題:ダイアナの選択)
2008年 アメリカ 90分

監督:ヴァディム・パールマン
製作:ヴァディム・パールマン、エイメ・ペロンネ、アンソニー・カタガス
製作総指揮:トッド・ワグナー、マーク・キューバン、マーク・バタン
原作:ローラ・カジシュキー『春に葬られた光』
脚本:エミール・スターン
撮影:パヴェル・エデルマン
プロダクションデザイン:マイア・ジェイヴァン
衣装デザイン:ハラ・バーメット
編集:デヴィッド・バクスター
音楽:ジェームズ・ホーナー

出演:ユマ・サーマン、エヴァン・レイチェル・ウッド、エヴァ・アムリ、オスカー・アイザック、ガブリエル・ブレナン、ブレット・カレン、ジャック・ギルピン、モリー・プライス、ナタリー・ポールディング

ダイアナは高校時代、モーリーンといつも一緒だった。2人はプライベートなことまで何でも話せる親友だった。
その日もいつものように始まった。
授業前に化粧を直そうと2人はトイレに入る。
そこで話していると、外が騒がしい。叫び声に…そして銃声。
2人は近づく足音に動けずにいると、トイレにクラスメイトのマイケルがサブマシンガンを担いで入ってくる。
「どちらを殺すか選べ」
マイケルはダイアナとモーリーンにそう言うとサブマシンガンを構えた。
モーリーンは「私を殺して…」と言う。
だが、ダイアナはモーリーンのように自分を殺してとは言えなかった。
果たして、ダイアナはどういった選択をしたのか…。


解釈がとても難しい映画だった。
この映画はこういうことを伝えたいのだ! という断定はこの映画においてすることはできないだろう。

映画は高校時代のダイアナと大人になったダイアナ(?)の視点で語られる。
一面的にはダイアナの代わりにモーリーンが死んでダイアナは過去の選択を悔いているように見える。
だが、ラストで語られる事実はそれとはまったく違っていた。

ラストには自分の中で2通りの解釈ができた。
1つ目は映画の大部分で描かれていくように殺されたのはモーリーンでダイアナは当時の選択を悔いている。
子供ができたが、その子供は実は事件のショックによる妄想の産物であったということ。
ダイアナの選択は極限状態では決して間違った選択ではないのだが、それでも当事者には大きな後悔を残してしまった。
選択をしなかったことへの後悔と苦痛。

2つ目はラストまでに描かれていく描写が実はダイアナの妄想であったという解釈。
人は死ぬ間際に走馬灯のように過去の思い出をフラッシュバックさせると言われているが、それが過去に見聞きしたまったく関係のない点(高校時代、町で見かけた男が妄想の中では夫になっている。堕ろした子供につけた名前が妄想の中では実際の子供の名前になっているなど)が憧れていた未来への想いという線になって描かれていたのではないか。

街から出て新しい世界で生きていくことを願っていたダイアナ。まだまだ未来があるダイアナに降りかかった理不尽な死。
ラストで描かれるダイアナの死は自分の後悔や両親、憧れなどをこういう現実であったならばという幻想なのではないだろうか。


恐らく解釈としてしっくりくるのは2つ目の解釈だろう。

だが、個々のセリフや小道具なんかにはまだまだわからないところが多い。
例えば、映画全編を通して『水』が大きなキーワードとなっていること。しかし、その『水』が何を象徴としているのかは納得のいく答えが出せていない。

またダイアナが高校時代、物理の教師に言われた言葉。
・心臓が人間の筋肉で最も強い筋肉である。
・脳には銀河の星よりもずっと多くの細胞がある。
・肉体は72%が水分だ。
この言葉も大きなキーワードだろう。またここでも『水』という言葉が出てきている。
 
納得のいく答えを得るにはあと何度か観なければいけないだろう。
だが、観るたびに新たな疑問、そして答えも得られそうだ。
悲しくてとても切ない映画だが、それだけではない。
もっと大きなものがある映画だと感じた。


90点/100点


「東京ゴッドファーザーズ」
2003年 日本 90分

監督:今敏
演出:古屋勝悟
プロデューサー:小林信一、滝山雅夫
制作プロデューサー:豊田智紀
企画:丸山正雄
原作:今敏
脚本:今敏、信本敬子
キャラクターデザイン:今敏、小西賢一
作画監督:小西賢一
美術監督:池信孝
色彩設計:橋本賢
撮影監督:須貝克俊
音楽:鈴木慶一
音響監督:三間雅文

声の出演:江守徹、梅垣義明、岡本綾、飯塚昭三、加藤精三、石丸博也、槐柳二、屋良有作、寺瀬今日子、大塚明夫、小山力也、こおろぎさとみ、柴田理恵、矢原加奈子、犬山犬子、山寺宏一


クリスマスイヴの夜、オカマで母親になりたい願望を持つ”おっさん”のハナちゃんはゴミ捨て場で捨てられた赤ん坊を見つける。
「奇跡だわ!」
ハナは神様からのプレゼントだと信じ、家へと連れて行く。

だが、着いた先はダンボールハウス。
ハナは社会から脱落したホームレスだったのだ。
ハナちゃんと共に暮らしているのは訳ありの中年親父ギンちゃんと家出してホームレス生活をすることとなる女子高生のミユキ。
「きよしこの夜だからきよ子」
ハナちゃんは早々に名前をつけて育てる気満々。
だが、ホームレスに子育てなんてできるはずない。
「警察へ行け!」
ギンちゃんは叫ぶ。
だが、ギンちゃんのその言葉にも聞く耳を持たない。
「クリスマスイヴの今日だけ」
ハナのその言葉に渋々了解するギンちゃんだが…。

次の日、ハナちゃんは赤ん坊の母親を自分で見つけると言い出し、ハナちゃんとギンちゃんとミユキの3人は赤ん坊の母親を見つけるために少ない手がかりを元に母親の行方を捜す。
次々と事件に巻き込まれていく3人だが、奇跡のような1日の幕開けでもあった。


今敏監督作品でこんなにもドラマ性の強いシンプルで、かつ厚くて深いストーリーの作品を初めて観た気がする。
いや、他の作品のストーリーも十分に面白くて素晴らしいのだが、本作はストーリーという点では今敏監督作品の中でも一線を画していると感じる。

起承転結のはっきりしたストーリー展開で、オープニングからクライマックス、ラストに至るまで観ているこちら側を惹きつけたまま離さない、いや一層惹きつける。
そしてこの愛らしいホームレス3人組の一日が終わったときにはこの映画の素晴らしさとスゴい映画を観てしまったという衝撃に鳥肌がたった。
隙がまったくないのだ。
赤ん坊を取り巻くストーリーにホームレス3人組、各々が持つドラマ。
誰もが持つであろう苦難や葛藤、切れてしまった糸が奇跡によって再び糸を結んでいく。
そんなふうにして紡がれていくストーリーは多くのものを残してくれた。

映画を観る意味さえも再確認させてくれた。

それくらい衝撃的な作品であった。
アニメという括りを取っ払ったとしても一石を投じた作品には違いない。

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